甘酒を手作りで!甘くならない理由は?失敗作の復活方法とは
最近は甘酒ブームで、どこでも酒粕や麹が簡単に購入できるようになり、手作りする人も増えていますね。
レシピもだいたい簡単と書いてありますから、チャレンジしてみたくなるのも頷けます。
工程も少ないですから、一見すぐにできそうな気がしますが、甘くない、酸っぱいなど、最初は失敗することも多いです。
しかし、いくら失敗したとは言え、材料を丸ごと捨てるのは気が引けます。
何とかどこかで復活させられたら良いと思いませんか?
手作り甘酒失敗の原因と、材料の復活方法についてまとめてみました。
甘酒が甘くならない理由は?
甘酒の作り方を調べると、だいたい簡単と記載されています。
麹を使った発酵させる甘酒も、どこのご家庭にもある魔法瓶や、炊飯器などの身近なもので作れることもあり、「簡単そう」と思いますが、やってみると意外と思うようにいきません。
「全然簡単じゃない!」と愚痴の1つでも言いたくなりますが、一体何が失敗の原因になってしまうのでしょう。
そもそも甘酒が甘くなる理由は?
甘酒の作り方は酒粕と、麹のどちらを使うかによって2通りあります。
酒粕の甘酒の方は砂糖を加えることで味を整えますが、米麹の方は、全く調味料を使わなくても甘くなるのをご存知ですか?
麹の甘酒が砂糖を加えなくても甘くなる秘密は、ズバリ発酵。
麹菌が適切な温度に置かれることで活動し、お米のデンプンをブドウ糖に分解してくれます。
ですから、米麹の甘酒は、砂糖とは違うお米の優しい甘さが楽しめるのです。
かき混ぜ方が足りない
まず考えられるのが、お米と麹がしっかり混ざっていない可能性です。
甘酒の甘さは、お米のデンプンが分解されることで出てきますから、お米と麹がしっかり触れ合っていなければなりません。
かき混ぜがたりないと、お米と麹の分布に偏りができ、酵母が届かないので糖が作られず甘さが出てきません。
仕込みの段階で、とにかく念入りにかき混ぜましょう。
また、炊飯器で作る場合は、外側と中心部で温度差ができやすいです。
酵母の活動に差が出て、甘い所とそうでない所ができてしまうので、炊飯器で作るときは出来上がるまでの間に時々かき混ぜるとい良いでしょう。
温度が適切ではない
酵母の活動には、温度が大切です。
麹が最も活発に活動するためには、55~60℃が適温なのに対し、炊飯器の保温は70℃。
蓋を閉めて発酵させるには高すぎるので、デンプンの糖化が進みません。
反対に、加える水の温度が低すぎて、50℃を大きく下回っても酵母が活動を弱め、やはり甘くなりません。
炊飯器で甘酒を熟成させるるするには蓋を空けて、60℃弱を維持しましょう。
温度計で確認しながら作ると失敗しません。
他にも?甘酒の失敗
甘酒の失敗例は何も甘くならないだけではありません。
甘みが薄い以外に起こり得る甘酒作りの失敗例も見ていきましょう。
芯がある
米麹の甘酒は、お米を柔らかくお粥状にして使うにも関わらず、舌にザラザラと芯のようなものが残ることがあります。
これは、お粥に芯が残っているわけではなく、米麹のもの。
もちろん、発酵時間が短いために米麹が十分にほぐれない場合もありますが、しっかり時間をかけて発酵させたにも関わらず、米麹の芯が残ってしまうことがあります。
適切な時間をかけても、米麹がほぐれない場合は、温度に問題がある可能性が高いです。
何度も触れている通り、麹に含まれる酵母が活発に活動する温度は55~60℃。
これを大きく下回っても上回っても、麹の活動に支障を来します。
温度が50℃以下の場合、麹が十分に活動できないのでデンプンが分解できません。
甘くならないどころが、麹そのものも分解できず、固い甘酒に仕上がってしまいます。
つまり、発酵不足と言うわけです。
酸っぱい味がする
甘酒に酸味を感じるのは、発酵し過ぎが原因で、温度が高すぎるか、発酵時間が長すぎることで起こります。
麹は温度と材料さえあればどんどん分解を進めてしまいます。
人間の都合で程よい甘さのところで止めてはくれません。
手作り甘酒は、一週間を目安に飲みきるよう推奨されていますが、これは冷蔵庫の中で発酵がじわじわ進んでお酢のように酸っぱくなってしまうからなのです。
甘酒が酸っぱくなるのは、温度が高い、または保温時間が長すぎたために発酵がどんどん進んでしまうことが原因です。
発酵が適切になるように、温度を下げて保温時間を減らしましょう。
腐敗臭がする
甘酒は、麹の活動が盛んになるような環境を整えることで作られます。
麹の繁殖や活動だけが促されれば良いのですが、麹にとって働きやすい環境と言うのは、他の菌も同様に心地いい環境と言うこと。
甘酒を作る調理器具の消毒が不足していると、保温時間の中で、麹と一緒に雑菌も爆発的に増え、菌のバランスが崩れてしまいます。
麹が雑菌に負けてしまうことで、発酵ではなく腐敗が起こり、異臭の原因になります。
もちろん、異臭がすると言うことは発酵に失敗したわけですから、食べられません。
もったいないですが捨ててください。
腐敗を防ぐには、甘酒の材料に混入する雑菌の繁殖を最小限にすることがポイントです。
甘酒作りに取りかかる前に、エタノールや煮沸で調理器具を消毒し、できるだけ衛生的に保ちましょう。
失敗した甘酒の復活
甘酒は発酵が進み、麹がブドウ糖に変えてくれることで甘味が出てきます。
ですから、温度が低かったり、保温時間が十分でなかったりすると、麹が働けず甘味がでなかったり、米麹の芯が残ったりします。
つまり、
- 単純に甘味が足りない
- 甘味が少なく、且つ麹の芯が残っている
この2つの失敗は、発酵不足が原因ですから、適切な温度で発酵を促せば酵母の活動が再び活発になる場合があります。
腐ったわけではありませんし、そのまま捨てるのはもったいないですから、是非再発酵してみてください。
再発酵のポイント
- 甘酒の材料を60℃まで温める
- 魔法瓶や炊飯器、ヨーグルトメーカーなどで2~4時間保温する
甘酒作り成功のためには、何よりも温度管理が大切です。
温度が適切でなければ、酵母の活動に悪影響が出て何時間保温しても、甘くなりません。
再発酵するときは、麹に適切な温度55~60℃を維持しているかを何回か確認しましょう。
また、発酵し過ぎてもお酢のように酸っぱくなってしまいますから、ちょうど良いところで止められるように、こまめに味を確認してください。
>>甘くない甘酒をもっと甘くするには?失敗作を救済できるかも?
温度を失敗しないために
甘酒は、麹がしっかり働けるように、温度管理をする必要があります。
麹にとって心地良い55~60℃を維持しなければなりません。
特に、60℃を大きく上回ると麹が破壊され発酵しなくなるので、注意しましょう。
魔法瓶や、炊飯器にはそれぞれ癖がありますから、気づかないうちにじわじわと温度が上下し、麹に悪影響を与えることがあります。
ヨーグルトメーカーなら自由に温度を決めて、一定に保つことができますから、甘酒作りが劇的に快適になりますが、価格帯が5,000円からと結構高額。
甘酒初心者では、いきなり手を出すのは難しいと思います。
そこで便利なのが温度計です。
温度計なら1,000~と比較的安価で購入できますし、他の料理でも使えます。
はっきりと数字で示される分、感覚で確かめるより正確ですから、甘酒作りもぐっとしやすくなります。
【送料無料メール便専用】 タニタデジタル温度計 TT-533
まとめ
いかがでしたか?
甘酒作りは、工程はシンプルなものの麹の活動のため、温度管理が成功と失敗を大きく分けます。
適切な温度で保温しないと酵母が働かず、最悪お酢のようになってしまいます。
失敗の原因と、改善が分かれば、もう怖いものはありません。
温度管理に注意しながら、甘酒作りを楽しんでください。
以上、「甘酒を手作りで!甘くならない理由は?失敗作の復活方法とは」でした。