甘くない甘酒をもっと甘くするには?
甘酒作りのレシピには簡単と書かれていることが多いですが、実際にやってみると意外と苦労することが多いです。
とろみが出て、お米もちゃんと柔らかいのに、甘味が足りない、もしくはそもそも甘くない、なんて失敗は特にどうしたら良いか悩みませんか?
甘くなくても、ちゃんと甘酒としての栄養はたっぷり。
ただ美味しくないだけの理由では捨てられません。
こんな悲しい自体を防ぐために、甘酒の甘味をきちんと引き出すにはどうしたらいいのか、まとめてみました。
甘酒が甘いのはなぜ?
甘酒のうち、米麹で作られているものは砂糖を加えなくても甘くて美味しくなります。
何百年も前の江戸時代にも、夏のスタミナドリンクとして大衆に愛されていた歴史があります。
昔は、砂糖は効果で、庶民にはなかなか手が出せませんでしたから、一口目で「美味しい!」と口いっぱいに甘味が広がって、栄養たっぷりの甘酒は大人から子供まで広く愛される飲み物だったのです。
米麹の甘酒の甘さの源は、お米に大量に含まれるデンプン。
デンプンはもともと甘味の基であるブドウ糖が繋がってできているものです。
デンプンも糖分が材料になっていますが、いくつも繋がって構造が複雑なため、舌に乗っても味覚センサーにうまくひっかかりません。
ですから、お米をそのまま食べても、砂糖のような強い甘味を感じないのです。
そこで、米麹の出番です。
お米が、米麹に含まれる麹菌に醸されることで、デンプンの構造がハサミのようにチョキチョキと細かく分解されます。
複雑なデンプンの分子構造が細かくシンプルになるので、舌に乗ったときに甘味を感じやすい形になるのですね。
しかし、麹菌がお米のデンプンを満遍なく醸して、十分に甘味を感じられるようになるためには時間がかかります。
ですから、市販の甘酒は製造効率を考えて、米麹の甘酒も手っ取り早く甘味が出る砂糖を加えている物が多いです。
よしんば砂糖を全く加えてないとしても、甘味が弱かったり、毎日飲めない程高額だったり。
砂糖0で濃厚な甘味を楽しめる米麹の甘酒は、手作りならではの贅沢と言えるでしょう。
手作り甘酒が甘くない
手作りだからと言って、必ずお米本来の甘味をしっかり引き出せるとは限りません。
納得できる味に仕上げるのは難しく、試行錯誤が欠かせません。
レシピとは別に発酵時間や温度の研究が必要です。
しかし、レシピ通りに作って、甘酒らしいとろみや柔らかさがついていても、肝心の甘味が弱いと扱いに困り、成功かどうかの自信が持てないパターンもあります。
米麹の混ぜ不足
甘酒の甘味は、お米が麹菌によって分解されることで引き出されます。
ですから、米麹をよくかき混ぜて、お米1粒1粒に満遍なく麹菌が触れている状態にしなければなりません。
混ぜ不足で米麹の配置に偏りができると、麹菌がお米にたどり着けず糖化できない部分が出てきます。
分解されないままのデンプン質が増えるため、出来上がった甘酒の甘味も弱まります。
発酵前にお米と米麹は「これでもか!」というくらいよくかき混ぜましょう。
慣れるまでは、細かくお米と馴染みやすい生タイプのものを使うと混ぜ不足によるムラを減らせます。
発酵不足
何らかの原因で麹菌の活動が抑えられれば、発酵不足でデンプンがブドウ糖に分解できず、甘味が弱いままです。
もしもレシピ通りに8~10時間しっかり保温時間を確保したのであれば、発酵温度を確認しましょう。
麹菌の活動に適した時間は55~60℃。
50℃以下であれば低過ぎて麹菌の活動が緩やかになってデンプンが分解されませんし、逆に60℃以上であれば高温のため麹菌が破壊され発酵がストップします。
特に温度設定ができない炊飯器や魔法瓶で起きやすい失敗です。
発酵中の間に何回かかき混ぜるついでに、材料が適温に保たれているか確認しましょう。
炊飯器で作るときには開けっ放しにするのは、ホコリや雑菌が心配で抵抗があって、つい閉めたくなりませんか?
炊飯器の保温温度は70℃ですから蓋を閉めては高温過ぎて麹菌が破壊される要因になります。
炊飯器を使って発酵させるなら、必ず蓋を開けたままにしましょう。
衛生面や乾燥が気になるなら布巾などをかぶせるようにすると安心です。
甘くない甘酒を甘くするには
保温力が弱い魔法瓶で発酵させると、温度が下がって麹菌の活動が弱まることがありますが、この場合はもう一度温めて適温に戻すことで再度発酵を促せます。
沸騰させないように材料を火にかけて60℃まで温める
55~60℃で2~4時間再発酵させる 甘味が出たら完成
どうしても甘くならないときには
再発酵してもどうしても美味しく飲めない場合はいよいよ扱いに困ります。
お米が入っているうえに、甘酒の栄養は含まれていますから、捨てるのはもったいないですよね。
ほんのりと弱いながらも甘味があるのであれば、コーヒーや紅茶に加えると美味しいです。
甘酒の甘さは砂糖由来ではないので、優しい味わいです。
強い主張がありませんから、コーヒーや紅茶に加えても良く合います。
お米のツブツブが気になるなら、ミキサーにかけて滑らかにしおくといいでしょう。
もしもそれでも使い切れないなら野菜と混ぜて漬物にしてもオススメ。
かぶら漬けを始め、意外と多くの種類の漬物で麹は使われています。
鰹節などのうまみで味を調えることで美味しい漬物に仕上がります。
あと1品欲しいときの、食卓の救世主として活躍してくれるはずです。
まとめ
いかがでしたか?
市販でも米麹の甘酒は手に入りますが、全く砂糖が加えられていないものはかなりのお値段。
甘酒は毎日続けることでパワーを発揮しますから、お財布に優しい手作りが最適。
何にでもコツやポイントがあるように、最初は思うように甘さが引き出せないかもしれませんが、主張が少ない甘酒の活用レシピは無数にあります。
救済方法に困ることはありません。
失敗を恐れずに甘酒作りを楽しみましょう。
以上、「甘くない甘酒をもっと甘くするには?」でした。