甘酒米麹だけで作る早づくりとは?味の違いは?
甘酒の材料には、絶対お米を加えるもの、と思っていませんか?
特に、デンプンを糖化すして甘味にする米麹の甘酒は、お米が味にも直結し、必要不可欠な気がします。
しかし、米麹のみで作る、甘酒の作り方もあるのです。
お米が不要であれば、お粥を炊く手間が省けて、練りタイプの麹を使えば思いたったタイミングで、すぐ仕込みができます。
一方で、甘さのもとでもあるお米を加えずに、美味しくできるのかも心配です。
ここでは、手軽さが魅力の麹だけで作る早作りと呼ばれる仕込み方について、まとめました。
麹とは
酒の名前が付いていることから、アルコールの心配をしたくなりますが、麹は発酵食品。
甘酒にしてもアルコール0のままなので、大人から子供まで美味しく飲めます。
そもそも、発酵食品とは、カビ、菌、酵母などのごく限られた微生物が、人にとって有益な活動を行った食べ物を指します。
麹とは、その中でも、豆類や穀類にコウジカビが繁殖し、醸すことで発酵した物。
コウジカビとは、豊かな発酵文化を形成する日本食には欠かせない物で、豆を醸すことで豆麹、麦を醸すことで麦麹、そして米を醸すことで米麹となり、全国各地それぞれの特色を色濃く残す味噌作りを支えています。
麹を使った甘酒の作り方3通り
麹を使った甘酒の作り方では、お米とお水を加える作り方が定番です。
しかし、お米が必ずしも必要と言うわけではありません。
麹を使った作り方はお米、水の割合に応じて3つに分類できます。
早作り
米麹と同じ量の60℃のお湯で仕込むやり方。
ここで紹介している米麹だけの甘酒とは、この早作りのことです。
お米を使わない分、発酵時間が短縮できますが、固形のものが米麹だけなので分量はお米を加えた分の半分くらいしかできません。
コスパから考えると、贅沢な作り方と言えるでしょう。
ただ余計なものが入っていない分、米麹の味がダイレクトに表れます。
麹ごとに味わいが変わるので、作るたびにどんな甘酒になっているかワクワクしますね。
美味しい米麹が手に入ったら、ぜひやってみたい作り方です。
固作り
固作りとは、炊く前のお米と米麹を1:1の割合の作り方です。
たっぷりのお米で仕込むので発酵には時間がかかりますが、その分お米のつぶつぶが増えて食べ応えのある甘酒になります。
お米が多い分、デンプンの糖化が十分に行われて甘味も強くなります。
お米ならではのつぶつぶ触感と、甘味が好きな人にオススメです。
固作りでは加えるお米の量が多いため、固形物の多いドロっとした仕上がりになります。
そのままでは飲みにくいので、お湯や、牛乳などお好みの飲み物や、料理に加えて楽しみます。
薄作り
薄作りとは固作りの重量の合計に対して、更に60℃のお湯を半量加える方法です。
つまり、早作りや、型作りよりも大目の水分を加えるということですね。
家庭で作る米麹の甘酒の中でも最もポピュラーな多量作り方だと思います。
お湯を加えることで、お米も水分を吸収して柔らかくなりますから、固作りよりも飲み物らしい仕上がりになり、それほど噛むことを意識しなくてもするすると喉を通っていきます。
一方で、お米が加わっていることで、米麹の風味もマイルド。
甘酒ならではの尖っている部分がなくなり、良くも言えば飲みやすい、悪く言えば物足りないのが特徴です。
早作りの作り方
では、次は具体的な早作りの甘酒の仕込み方法を紹介します。
炊飯器を使った方法なので、ヨーグルトメーカーがないご家庭でも、比較的チャレンジしやすいです。
米麹 300g
60℃のお湯 300ml
- 炊飯器やしゃもじなど、仕込みに使う調理器具を消毒する
- 炊飯器に麹とお湯を加える
- ②の温度が55~60℃の間であることを確認し、大きく上下している場合は調整する
- 布巾をかけて蓋を開けたまま保温モードで4時間発酵させる
- 程よい甘さになっていたら完成です
早作りは簡単?
早作りでは、お麹にお米を分解させる分の時間が短縮できます。
薄作りが発酵に8時間ほどかかるのに対し、早作りでは半分の4時間で十分。
炊飯器で作る場合、8時間もご飯が炊けなくなりますからタイミングを狙って仕込みをしなければなりません。
しかし、8時間もお米を炊かない時間ともなれば、夜ご飯終わってから、朝になるまでの間ぐらい。
お粥を炊いて、炊飯器が冷めるまでの時間を確保して、と考えれば夜中の仕込みさえ、難しいかもしれません。
早作りなら、仕込みを4時間に短縮できれば、お粥を炊いて炊飯器を冷ます時間も不要です。
時間に追われず、甘酒の仕込みができるのは魅力的ですね。
味の違いは?
酒粕を使った甘酒では、味の調整に砂糖などの甘味料を用います。
甘味料がないままでも、甘酒としては成立するものの甘味が足りず、飲みにくいからです。
一方で米麹の甘酒は砂糖を全く使わなくても、美味しく飲めます。
米麹に含まれるコウジ菌が一緒に加えたお米のデンプンを糖化し、甘味に変えるため、砂糖とは違う優しい甘さを楽しめるのです。
では、米麹を使った作り方でも、お米を使わない早作りではどうなのでしょうか。
お米や砂糖を加えずに、甘味が出るのか、不安な人もいると思います。
結論から言いますと、早作りの甘酒は特別にお米を加えなくとも、一般的な配合で作った甘酒と同様に、甘味は出てきます。
なぜなら、米麹そのものにもお米が含まれているからです。
そもそも、米麹とは、お米にコウジ菌を繁殖させることで出来上がる発酵食品。
もともとは、何の変哲もないお米なので、デンプンは十分にあります。
お米でかさを増やさない分、少量しかできませんが、それでもしっかりした甘味が特徴で、お湯で割っても美味しく飲めるほど。
麹の風味がはっきりした濃厚な味わいになります。
まとめ
いかがでしたか?
酒粕と米麹の甘酒の作り方が異なるのは有名ですが、米麹だけをとっても、いくつもの作り方があるのですね。
甘さの秘訣とのイメージが強かったお米も、敢えて加えないことで、米麹が持つ濃厚な美味しさを引き出せます。
お水と米麹しか使わないので、加える米麹次第で大きく味が変化します。
甘酒は味が単調になりがちですから、一味違う甘酒を楽しみたいとき、美味しい米麹が手に入ったときなどに作ってみると良いでしょう。
以上、「甘酒米麹だけで作る早づくりとは?味の違いは?」でした。