甘酒は腐るとどうなる?発酵との違いを詳しく!

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甘酒は発酵食品ですから、雑菌が繁殖しにくく腐敗しない、なんて話を聞いたことがありませんか?

確かにお酒はもともと賞味期限の記載すらない物が多いですし、甘酒も市販は1年以上保存が利くことも多いです。

 

一方で、手作り甘酒は冷蔵庫でも一週間の保存が限界です。

甘酒は材料別に酒粕と米麹の2通りに分けられますが、どちらも発酵食品特有の臭いがします。

 

特に、コウジカビを利用した米麹の甘酒はそのままでもカビの臭いがすることもあり、腐っているかどうかの判断が難しい側面がなきにしもあらず。

 

甘酒はそもそも腐るのでしょうか?はっきりさせてみました。

 

腐敗と発酵の違いは?

発酵も腐敗もどちらも菌や微生物の活動によって引き起こされます。

同じように菌や微生物が活動した結果なのに、発酵と腐敗に分けるのは何故なのでしょうか?

発酵とは

まず、発酵とは微生物がデンプンやたんぱく質を分解した結果、

  • アミノ酸
  • アルコール
  • 乳酸
  • ビタミン

などが生み出されること。

 

微生物が活動する中で、新たな栄養を生成したり、別の食品に変化させること。

 

この2つの条件を満たしている状態を指します。

ヨーグルトも、乳酸菌が牛乳を分解して別の食品を作り出していますから、イメージが湧きやすいです。

腐敗とは

 

一方、腐敗とは 微生物がデンプンやたんぱく質を分解するところまでは同じなものの、そこから

  • アンモニア
  • 硫化水素

などが生み出されること。

 

もともとの食品の見た目や味が変化し、栄養が損なわれること。

 

以上の2つの条件を満たす状態を腐敗と言います。

 

アンモニアも硫化水素も言わずと知れた劇物。

学校でも、取り扱いには注意するようにと言われた物質です。

 

腐敗につきものの、なんとも言えない強烈な臭いは、これがアンモニアや硫化水素が原因だったのです。

食品についた微生物が活動するまでは全く一緒なのですが、その後に得られる結果が全く異なります。

 

つまり、腐敗と発酵の差は人にとって有益かどうか、この一点によってのみ判断されるのです。

発酵食品は腐敗する?

発酵食品は、人に有益な菌だけが活動することで作られます。

良い菌や微生物だけが食べ物の栄養をどんどん分解していくので、雑菌が活動する余地が失われます。

 

雑菌が活動できないということは、腐敗が進まないということです。

 

腐敗しないなら賞味期限を気にする必要がないはずですが、実際に市販品を見るとしっかり記載されています。

 

賞味期限はあくまでも「美味しく食べられる期間」を示したもの。

少し過ぎたところで問題なく口にできますが、逆に言えば大きく過ぎれば腐敗が進むことも意味しています。

発酵も腐敗も同じ菌の活動の結果なのに、1つの食品で同じように引き起こされるのも不思議な話ですよね。

 

体に良い菌で満たされているはずの発酵食品に、賞味期限が設定されているのは市販品ならではの発酵状況が原因です。

 

味噌を例に挙げて説明していきましょう。

今では市販品を使うご家庭が多い味噌ですが、少し前までは自家製が定番でした。

ご家庭が何年もかけて丁寧に発酵させた味噌は、1つとして同じ物はなく、1年経っても美味しく食べられました。

 

微生物や菌はとても小さいので、食品全てをいっぱいに満たすのには非常に時間がかかります。

手作り味噌のように、年がかりの仕事になるのです。

 

しかし、市販品は利益を上げなければなりませんから、できるだけ早くどんどん作りたいですよね。

生産サイクルを考えれば、体に良い菌や微生物で食品が満ちる、つまりは完全に発酵するまでとてもじゃないですが待てません。

 

ですから、味噌に限らず、完全に発酵が終わる前に商品化され発酵食品が多いのです。

 

つまり、発酵食品としては不完全というわけですね。

食品が完全に分解されていないので、他の菌や微生物が活動する余地が残されています。

 

そこに、空気中の雑菌が入ることで腐敗が進行してしまうのです。

更に、発酵不測で旨みやその他の味を補うために調味料、賞味期限を延ばすために保存料が添加され、これも発酵食品としての完成度を落とします。

 

腐敗を進行させる雑菌が繁殖する余地を広げることになります。

甘酒が腐っているかどうか見極めるには

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甘酒も納豆と同じで、完全に発酵しきった食品ではありません。

美味しさを維持するために、ほどほどのところで発酵を止めているので、雑菌が繁殖し腐ることがあります。

腐っているかどうかの見極めは、見た目、臭い、味の3つのポイントを基に判断しましょう。

見た目

甘酒と言えば、白にほんのり色がついたような、優しい色味が特徴ですが、腐ってくると色が変わってくることがあります。

 

最も多いのが茶色ですね。

これは褐変と呼ばれる、長期保存や高温での保管が原因です。

一般的には見た目が変わるだけで味に変化は無いとされていますが、腐敗による変色かもしれませんから捨てたほうがいいでしょう。

 

ちなみに、極稀に緑や赤くなることがありますが、これはカビが原因ですから、捨てるようにしてください。

>>甘酒が茶色く変色したけど飲める?考えられる原因と対策

臭い

臭いは、見た目の次に腐敗の目安で分かりやすい変化です。

雑菌が食品を分解して作るアンモニアと硫化水素は、顔を背けたくなるような強烈な臭い。

食べられるかどうか判断するのに、臭いは見た目の次に分かりやすい変化と言えます。

 

しかし、腐敗とは雑菌による分解全般を指しますから、中にはアンモニアや硫化水素などの分かりやすい腐敗臭を出さないこともあります。

 

甘酒でよくあるのが、ヨーグルトのような酸っぱい臭い。

酒粕から作られていても、米麹から作られていても、発酵食品ならではの独特の臭いがありますが、どちらも酸味の臭いではないので、すぐ気づくと思います。

 

賞味期限が過ぎると、見た目が変わらなくても甘酒から酸っぱい臭いがしてくることがあります。

手作り甘酒の失敗でよくある、ヨーグルトのような臭いです。

 

酸っぱい臭いは過発酵でも引き起こされますから、賞味期限が過ぎるほどの長期保存の中で発酵が進んだと考えられます。

 

しかし、褐変と同じように、乳酸菌の活動によるものかどうかの判断は難しいですし、そもそも酸っぱい臭いの甘酒は美味しくありません。

無理に古い甘酒を飲む必要はないので捨ててください。

臭い、見た目ともによく観察してそれでも変化がなかったら、少し口に入れて味を確認しましょう。

決していきなりごくごくとがぶ飲みしてはいけません。

 

もしも酸味が出てきていたら、臭いと同じように乳酸菌の影響である場合が多いですが、やっぱりまずいですし、万が一雑菌が出す悪い成分が酸味になって味に変化を引き起こしているかもしれません。

 

直ちに飲むのを止めてください。

まとめ

いかがでしたか?

甘酒は発酵食品ですから、他の食品と比べると雑菌が増殖しにくく腐りにくいです。

賞味期限を2年過ぎた甘酒を美味しく飲んだ、なんて話もあります。

 

賞味期限は美味しくのむための期間ですから、自己責任なりますが少しくらい過ぎた程度なら、それほど神経質になる必要はないでしょう。

 

 

しかし、雑菌やカビは多種多様で、腐敗による変化も千差万別。

全ての腐敗の状態を網羅することはできません。

 

腐っているかどうか、全く心配することなく味わうのが、本来の食品保存のありかたです。

腐っているかどうかを心配することがないように、ストックや保存方法を工夫しながら甘酒を楽しんでください。

以上、「甘酒は腐るとどうなる?発酵との違いを詳しく!」でした。

 

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