甘酒は常温保存できる?手作りと市販の違いとは

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甘酒は発酵食品のため、雑菌が繁殖しにくく保存にそれほど気を遣わなくていい、なんて話も耳にします。

実際、甘酒を常温で販売している店舗も少なくありません。

 

しかし、家庭で封を開けた甘酒を、店舗と同じような感覚で保管していいかは疑問を感じるところです。

甘酒は続ける中で、徐々に効果を実感できる飲み物ですから、少しでも長持ちさせるためには保存方法も配慮が必要になります。

 

そこで、家庭でも常温保存が良いのか、甘酒の保存方法についてまとめてみました。

 

甘酒は常温保存できる?

市販の甘酒のラインナップは米麹から作られたものが中心です。

米麹の甘酒は、麹菌を発酵させて作られるためノンシュガーでも美味しく飲めるうえ、酒粕のものと比べると低カロリー。

お酒の臭いも全く無く、飲みやすいこともあって甘酒の中でも特に人気を集めています。

 

発酵でお米を分解して甘味を引き出す役割がある麹は、40℃から活発に働き始めます。

手作り甘酒では55℃~60℃が適温とされていますが、これは雑菌の活動を抑え、麹菌だけが活動しやすい環境を整えるためなのです。

 

活動するだけであれば40℃でも麹菌にとっては適温。

常温でも緩やかではありますが発酵が進みます。

手作り甘酒を常温保存するとどうなる?

特に手作り甘酒は、鮮度の良さを利用して、栄養価を優先させるため火入れすることが少ないため、麹や酵母が生きたままです。

 

つまり、ただでさえ麹やその他の菌が活動しやすい環境なわけですから、常温保存すれば甘酒の中で、麹が尚更どんどん発酵していってしまうというわけです。

 

乳酸菌が増えて酸味が強まるなど、味の変化が激しく、果ては腐敗の進行も早まる可能性があります。

 

ですから、手作り甘酒の場合は常温保存するなら2~3日、冷蔵庫でも1週間が目安です。

ただでさえ短い手作り甘酒は、賞味期限が短くなる傾向があるので、常温保存は避けたほうが良いでしょう。

市販甘酒はどうなの?

 

従来の市販の甘酒はぐぐっと伸びて賞味期限が半年から1年のものが多いです。

賞味期限が長い甘酒は、熱処理や保存料で劣化対策がしっかり施されているので、常温保存にも耐えられます。

冷蔵庫のスペースを圧迫しないので、まとめ買いにも適しています。

 

しかし、米麹の甘酒は、お米由来の天然の甘味が魅力。

賞味期限を長くするためとは言え、できれば添加物や保存料不使用なものを選びたい人も増えています。

 

実際、最近のブームで新たに販売されている甘酒は、原材料が米麹、お米の2つだけで作られているものも少なくありません。

 

人気メーカー八海山の「麹だけでつくったあまさけ」も、安心できるシンプルな材料で、ブームの一助となっています。

 

ただ、原材料がシンプルということは、保存料やその他添加物が少なく保存が利かなくなるということでもあります。

 

ですから、こうした自然派甘酒は賞味期限が半年を切り、4ヶ月前後ということも少なくありません。

保存方法も冷蔵庫で、と指定されている商品もありますから、大量購入の場合は事前にしっかり確認しましょう。

開けた後の賞味期限は?

手作りの甘酒は開封も未開封もないので置いとくとしても、市販品は賞味期限が開けないこと前提で定められています。

 

中には

「賞味期限2年過ぎても美味しく飲めた」

なんて話も聞きますがやはり未開封の商品でした。

 

開封して空気に触れることで、雑菌が入り込み腐敗が一気に進む可能性が高まります。

 

ですから、開封すると賞味期限に関係なく、保存が利くのは1週間。

 

手作りと同じくらいまで賞味期限期限が縮まるのです。

夏にバッグの中に入れっぱなしで忘れた、など保管状況によっては一週間持たないかもしれません。

 

注意書きに従って、できるだけ早めに飲みきってください。

>>甘酒の賞味期限が切れたらどうする?飲む以外の活用方法とは

火入れで保存期間を延ばそう

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容器に入って私たちに飲まれるのを待っている間にも、甘酒の中の麹は生きて活動しています。

作りたての甘酒は、菌も酵母も共にベストな状態ですが、保存期間が延びれば延びるほど発酵が進み味や風味が劣化します。

 

手作り甘酒は、作ったら劣化しないうちにできるだけ早く飲みきるのが理想です。

 

しかし、そうは言っても水やお茶のように毎日ガブガブ飲むようなものではありません。

発酵させることを考えると、時間もかかりますからまとめて作るのが一般的です。

 

美味しく飲みきらないうちに保存期間が経過し、劣化するのも手作り甘酒あるあるです。

 

甘酒は毎日少しずつ飲んで効果を得るものですから、人によって1日の消費量がある程度決まっています。

もしも手作り甘酒が美味しいうちに飲みきれなさそうなら、火入れで保存期間を延ばしましょう。

 

甘酒に含まれる栄養の基、

  • 酵母
  • 酵素

は生きたまま体に入れることで体に嬉しい効果が期待できるのですが、どれも熱に弱いという弱点があります。

 

麹が発酵することで甘酒の美味しさが作られますが、出来上がった後も保存している間も生きて活動しています。

作っている途中は美味しくするために重要な麹の発酵も、保管中は味の劣化の元凶。

 

高温で加熱処理することで麹菌が破壊されれば、甘酒の発酵が止められます。

味の劣化を抑えられるので、手作り甘酒でも冷蔵庫保存で1ヶ月は持つようになりますから、1人でも十分に無理なく飲みきれます。

火入れのやり方
できたての甘酒を鍋に入れて中火にかけます
一煮立ちさせたら火から下ろして出来上がりです

 

加熱処理と言っても難しいことはなく、簡単に言えば少し沸騰させるだけ。

これだけで発酵が止まり、賞味期限が4倍以上も延びます。

 

沸騰させることで味が凝縮し、飲みやすくなるメリットもありますから、美味しくする一手間としても優秀です。

 

しかし、ビタミンBなど熱に強い栄養はなくなりませんが、熱に弱い酵素、酵母、麹菌は破壊されます。

生きたまま摂取できなくなるので、甘酒のパワーを余すところ無く摂取するのは難しくなります。

 

時間にゆとりがあるときは少なめに作って火入れナシ、

忙しいときはまとめて作って火入れ、

というように忙しさに合わせて作り分けてはいかがでしょうか。

 

保存期間に合わせて、火入れするかどうかを決めると、甘酒を傷めることなく栄養摂取も効率よくできるようになります。

>>甘酒は沸騰させると栄養や味はどう変わる?

まとめ

いかがでしたか?

 

自分でこだわりのお米や麹を選んでの甘酒作り、インターネットでお気に入りの1品選びどちらも楽しいですね。

ついついたくさんの甘酒を用意しすぎて、保管に困ることもあるでしょう。

 

甘酒は発酵食品ですから、発酵が極力進まないように冷蔵庫での保存が基本です。

冷蔵庫のスペースは限られていますから、甘酒で圧迫すると他の食品が入りません。

うまく保存方法を使い分けながら、無駄なく甘酒を楽しみましょう。

 

以上、「甘酒は常温保存できる?手作りと市販の違いとは」でした。

>>甘酒が茶色に変色!飲んでも大丈夫なの?

>>甘酒が腐るとどうなる?発酵とどう違う?