甘酒を日持ちさせるコツは酒粕の保存だった!

昨今の甘酒は米麹のものが注目を集めていますが、酒粕甘酒にも根強いファンが多いです。

昔懐かしい味わいや、日本酒の香りは酒粕甘酒ならではの美味しさです。

発酵が必要な米麹の甘酒と違って短時間でできることもあって、酒粕甘酒は手作り派も少なくありません。

 

安いときに見つけて買っているうちに、冷蔵庫にどんどん溜まっていく人も多いのではないでしょうか?

冷蔵庫の隅っこで忘れられて、いつの間にか賞味期限過ぎているのもセットであるあるです。

 

酒粕の日持ちはどのくらいのものなのでしょうか?

酒粕甘酒と合わせて長持ちする保存方法をまとめました。

 

酒粕甘酒は日持ちしない?

甘酒を最後まで美味しく飲みきるためには、保存に気を配るのが大切です。

市販の甘酒は、賞味期限が何ヶ月も先のものがほとんどですから、1Lの大きなサイズをまとめ買いしたとしても、未開封ならそれほど気遣う必要はありません。

常温保存OK名商品も多いですから、冷蔵庫の中のスペースさえ考えずに、全て飲み終わります。

 

しかし、市販品の甘酒の賞味期限が長いのは、含まれる保存料のおかげ。

せっかく健康や美容に良い甘酒を飲むのですから、体に優しい保存料が入っていないものを選びたいですよね。

 

>>甘酒は常温保存したい!市販と手作り日持ちが変わる?

 

最近のトレンドでも、保存料や、その他添加物が含まれていないシンプルな原材料の甘酒が人気を集めていますが、そうしたものは市販品でも賞味期限が短かったり、冷蔵保存が支持されている傾向が強いです。

 

酒粕派、米麹派を問わず、最後まで美味しく楽しむためには、保存方法をしっかりする必要があると言えるでしょう。

 

ところで、ここまでは一般的に販売されている甘酒の傾向と合わせて説明してきましたが、市販品はブームのきっかけとなった米麹から作られたものが中心です。

酒粕甘酒にこだわってもあるにはあるのですが、インターネット販売が多く、店頭で購入できるものは依然として選択肢が少ない状況。

 

実際には、酒粕甘酒を飲む人は自然と、手作り派が多くの割合を占めることになります。

米麹の甘酒とは違って、発酵いらずで作れる手軽さも、手作り派を後押ししています。

 

ただし、手作りは未開封もなにもありませんし、保存料を添加するわけにもいきません。

必然的に市販品よりも傷みやすいので、保存には一層注意することが求められます。

 

酒粕、米麹の甘酒はどちらも冷凍庫と冷蔵庫で保存できます。

冷凍庫で小分けで保存すればどちらも3ヶ月ほどは長持ちするのに対して、冷蔵庫の場合では

火入れする場合
米麹甘酒   1ヶ月
酒粕甘酒   1週間
 
火入れしない場合
米麹甘酒   1週間
酒粕甘酒   3日

と酒粕甘酒は極端に傷みやすいのです。

 

発酵させず、砂糖を加えるため酒粕甘酒はどうしても日持ちしなくなっているのです。

 

ちなみに火入れとは、いわゆる熱処理のこと。酒粕甘酒を作る工程の「一煮立ち」させる部分を指します。

火入れすることで、酒粕の発酵を止め、殺菌効果で腐敗を食い止めます。

 

>>甘酒を火入れさせるには?メリットとデメリットを合わせて解説

 

しかし、酒粕の発酵止めは、麹を殺すことで行われますし、酒粕に含まれる酵母も酵素も熱に弱く、雑菌と一緒に破壊されてしまいます。

 

せっかく手作りするなら、麹も酵母も生きている状態で摂取したいと思いませんか?

 

そういう場合は、その日に飲みきれる分の酒粕甘酒を毎日少しずつ作りましょう。

 

酒粕の甘酒ならお米と砂糖を加えて酒粕を溶かすだけなので、米麹甘酒よりもずっとシンプルな作り方です。

酒粕さえ柔らかくしておけば、10分もかからず完成します。

 

酒粕もそのまま保存したほうが熱処理した甘酒よりもずっと日持ちしますから、結果的に最も無駄なく栄養効率が高い状態で飲むことができます。

忙しい時期は火入れしてまとめて作り、余裕があるときは毎日作る、というようにタイミングに合わせて作り分けても良いでしょう。

酒粕は腐る?

 

甘酒よりもずっと日持ちするとは言え、酒粕にだって賞味期限はあります。

板の状態の硬い酒粕なら、一般的には冷蔵庫で半年くらいでしょうか。

 

酒蔵などで購入できる柔らかいタイプのもは生の状態なので、板の酒粕よりも保存が利かず、3ヶ月か、ひょっとしたら賞味期限がもっと短くなります。

 

しかし、賞味期限は美味しく食べるための期限なので、どんな食品でも少し過ぎたくらいではそれほど影響ありません。

酒粕はもともとある程度アルコールが含まれている発酵食品なので、雑菌が繁殖する余地が少なく腐敗が進みにくいのだそうです。

 

しかし、賞味期限が過ぎた酒粕は、

  1. 硬い板状から
  2. ピンクいところが出てきた
  3. 黄色がかってくる 粉っぽくなる
  4. しっとり柔らかくなった

という風に様子が変わることがあります。

 

それまでの白く硬い酒粕から様子がガラリと変わりますし、カラフルな色は「カビ」を連想します。

 

実は、酒粕の様子が日に日に変化するのは、発酵が進み熟成していくからなのです。

酒粕は発酵食品ですから、私たちの手元に届いたときも酵母や麹が生きている状態。

すぐに使わずに保存すれば、酵母や麹が活動し続けます。

 

具体的には、酒粕のピンクは分解された糖とアミノ酸が組み合わさって、甘味や旨みが増加した証。

そこから更に発酵が進むと柔らかくなり、色も黄色へ変化し最終的には茶色へと濃くなります。

 

つまり、酒粕が変化してもそれは発酵の結果なので、食べても全く問題ありません。

ただし、味も風味も色が変化するにつれて濃くなるので、甘酒には適さなくなります。

 

甘酒にするつもりならできるだけ賞味期限内に使い切ったほうがいいでしょう。

 

もしもつい忘れたなどで、熟成が進んでしまったら奈良漬など他の使い道を考えたほうが美味しく食べられます。

また、腐らないとされている酒粕と言えども、万能ではありません。

 

万が一に備えて、賞味期限が過ぎた酒粕は臭いや味を慎重に確認して、自己責任で使いましょう。

酒粕の保存方法は

例え腐らなくても、甘酒にして美味しいかは別問題です。

甘酒にすると、古い酒粕ではパンチが強すぎます。

 

熟成前の酒粕の方が、甘酒がずっと美味しく仕上がるのでできるだけ新しいうちに使い切りたいですね。

もしも多い場合は冷凍や冷蔵保存で長持ちさせましょう。

酒粕は常温保存できる?

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甘酒は腐らなくても発酵は進みます。

常温でも酵母や麹は活動しますから、気温が低い冷蔵庫や冷凍庫に比べると酒粕が早く変化します。

夏や暖かい地域であれば、賞味期限のうちにも変色が始まるかもしれません。

 

しかし、逆に言えば早く熟成させたいなら直射日光の当たらない涼しい場所での保存も可能です。

冷蔵庫での保存は

冷蔵保存は、市販の酒粕に推奨されている保存方法で、賞味期限も冷蔵庫で保管されていること前提で設定されています。

冷蔵庫の中は気温が低いので常温で保存するよりは多少日持ちします。

ただ、冷蔵庫での保管は乾燥の原因になりますから、1度開封したらジップロックやフードコンテナなどで密閉して、水分が蒸発するのを防ぎましょう。

日持ちさせるなら冷凍庫

酒粕の発酵を緩やかにして鮮度を保つなら、冷凍保存が最適です。

低温で保管されることで発酵を止められるので、長期保管やしばらく使う予定がない酒粕保存に向いています。

酒粕に含まれるアルコールのおかげで完全に凍ることはありませんが、冷蔵庫と同じように水分が蒸発しやすいです。

冷凍焼けや、味の劣化を防ぐためにもジップロックなどでしっかり密閉して保管しましょう。

まとめ

いかがでしたか?

 

手作り甘酒は全体的に日持ちしないものですが、酒粕から作るものは特に保存が利きません。

最後まで飲みきらないうちに美味しくなくなったり、異臭がしたりはあるあるです。

 

しかし、甘酒にしてしまえば傷むのはあっという間ですが、酒粕のままならかなり日持ちする、というのは嬉しい情報ですよね。

 

必要な分だけ甘酒にして飲めば、傷む心配はありません。

甘酒だけでなく、酒粕の保存にも配慮して最後まで美味しく飲みきりましょう。

 

以上、「甘酒を日持ちさせるコツは酒粕の保存だった!」でした。

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