甘酒に塩分っている?塩を入れすぎたときの救済方法も
甘酒と言えば、濃厚な甘さが特徴ですが、地方によっては塩を入れるところがあるのをご存知でしたか?
市販も物によっては塩を入れているものもあります。
酒粕の甘酒でよくあるように、味を調えるために砂糖を加えるというのは広く知られていますが、塩となるといまいちピンと来ません。
もしも栄養価や、美味しさのために有効ならそれまで塩分ナシだったとしても試してみたいと思いませんか?
何のために塩を入れるのでしょうか?今回は甘酒に塩を入れる目的と効果についてまとめてみました。
甘酒の甘味を引き立たせる?
甘い物と、塩の組み合わせと言えば、真っ先に思い浮かべるのがスイカ。
カットしたスイカに、ひとつまみの塩を加えるだけでずっと甘くなります。
他にも、お菓子のレシピでも、たまにですが、生地にほんの少しだけ塩を加えるものも見かけます。
これは、味の対比効果と呼ばれる仕組みです。別の味を加えることで、本来の味をより強く引き立たせるようになります。
つまり、塩は甘味を引き立てるための、隠し味の役割を果たしているのです。
今では冬に温めて飲むのが主流ですが、もともとは「冷やし甘酒」と呼ばれて夏の飲み物でした。
甘酒の豊富な栄養を補給して、夏バテを防ぐ、いわば栄養ドリンクの役割を果たしていたのです。
夏は、暑さで食欲が落ちて体力を消耗しやすいのと、同時に、汗と一緒に塩分も多く失われます。
塩入りの甘酒は、甘味を強調するのと同時に、塩分補給にも効率が良かったと言えるでしょう。
あまり甘くならないんだけど
塩を加えても甘味が強くならず、むしろしょっぱさが主張してくることがあります。
塩が甘味を引き立たせてくれるのは、スイカのように味が弱いときに限定されるからです。
しっかりお米からブドウ糖に分解されている濃厚な甘酒では、味が十分についているので、塩を加えても甘味を強調する効果はありません。
しかし、逆に甘味を引き締める効果が期待できるようになります。
甘酒は、特に米麹で作られるものはお米をブドウ糖に分解させて甘くするので、酒粕のものにはない強い甘味が特徴です。
お酒の風味がないことと、お米由来の優しい甘さが米麹の甘酒の魅力。
ジュース感覚で飲めることから、子供やお酒が飲めない人は酒粕の甘酒は飲めなくても、こちらなら好きという人も少なくありません。
一方で、逆に甘い過ぎて喉にひっかかるように感じる人もいるのです。
「一口二口目は美味しいけど、ごくごくとはいけない」そんな感覚ですね。
しかし、米麹の甘酒は発酵させて甘くするのでそう簡単に甘さを弱めることはできません。
そこで塩の出番。
ひとふり塩をかけると、甘味がきゅっと引き締まります。
少し前にブームになった塩キャラメルや、塩アイスクリームをイメージすると分かりやすいですね。
甘いものに敢えて少ししょっぱさを加えることで、舌が2つの味を同時に感じ取ります。
塩が味のアクセントとなり、甘酒の印象もがらりと変わります。
甘いものが苦手でも、ついもう一口飲みたくなる味に変化するでしょう。
塩を入れすぎたら?
甘さを強調するのでも、逆に引き締めるのにも、必要なのは、ほんのひとつまみの塩だけ。
この「ひとつまみ」分が肝で、微妙なさじ加減で物足りなかったり、しょっぱくなったりもします。
適量のラインを超えると、一気に塩辛くなってしまうので、実は塩の調整というのは以外と難しいのです。
ただ、塩を入れすぎたからと言って、捨ててしまうのはもったいないですよね。
なんとか救済する方法はないのでしょうか。
薄める
料理の量を増やして、全体の味を薄めるのは王道のやり方ですが、最も有効な方法です。
塩加減が丁度よくなるまで甘酒の量を増やせば、入れすぎた場合でも美味しく飲めます。
他に用意するものもないので、簡単にできるのも良いですね。
ただ、朝と夜、と言う風に、1日に何回かに分けて飲んでいる場合は、カロリーオーバーを防ぐために、その日に飲む回数を減らす必要があります。
または甘酒ではなく、ほかの飲み物で割って塩分濃度を薄めても、美味しく飲めてオススメです。
意外な組み合わせを発見できるかもしれませんよ。
調味料代わりに
基本的に、和食の味付けは甘味と塩味。
甘酒の甘味はお米由来で主張も強くありませんから、どんな料理にもよく合います。
多少塩が強いからと言って、料理の味を台無しにすることはありません。
もしも、甘酒に加えた塩味が気になるなら、その分料理に加える、醤油や塩加減を調整すればいいだけ。
難しいことなく、失敗した甘酒救済ができます。
ただ、甘酒は飲み物であるため、調味料と加えると、どうしても水分量が増えてしまいます。
佃煮など水分量をできるだけ抑えたい料理には適しませんから、使い道には注意しましょう。
粕汁にリメイク
量が多かったり、どうしようもないくらい塩分が多い場合は、粕汁にして夕食の一品にしてしまいましょう。
粕汁にはもともと、酒粕も、麹も含まれているスープです。
水分が多く、酒粕や麹が含まれている甘酒のリメイクにぴったりな品です。
大量の水と一緒に煮込むことで、しょっぱさも薄まりますし、味噌の強い味でうまくカバーされます。
本来は、酒粕を加えるために粕汁と呼ばれるのですが、甘酒が材料の場合、日本酒独特の臭いも気になりません。
クセが弱く飲みやすい粕汁にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?
甘酒と塩の組み合わせを始めて聞いたときはびっくりしたものですが、よく考えてみると、甘い物+塩を合わせた食べ物ってよくあるんですね。
ある意味、塩は甘いもののベストパートナーとも言えるかもしれません。
塩をほんのひとつまみで甘酒の味もがらりと変わります。
ほんの少しの量で味が決まるので、調整に少しコツは入りますが、一味違った甘酒を楽しむ意味でもオススメです。
以上、「甘酒に塩分っている?塩を入れすぎたときの救済方法も」でした。