甘酒は調味料としても使える?使い方は?
飲んで美味しく、健康にも美容にも良いことずくめな甘酒の活躍の場面が、もう少し増えたら良いと思いませんか?
少し調べれば、甘酒を利用したレシピはいくらでも見かけますが、飲み物が中心。
飲む分にも美味しいのですが、甘酒は発酵食品ならではの賞味期限の短さがネックになります。
飲むタイミングがずれたり、つい忘れたりして、冷蔵庫の奥で眠ったまま、なんてこともあります。
調味料として、料理に加えられたら使い道が増えて余る心配もありません。
甘酒ならではの優しい甘さが、飲む以外に味わえないなんてもったいないですよね。
そこで、甘酒が調味料として使えるのかどうか、調べてみました。
甘酒の甘味の素は
甘酒の魅力は、寒い季節でもほっこりするような優しい甘さ。
この甘さのヒミツはどこから来るのかご存知ですか?
実は、一括りにされている甘酒も、材料と作り方によって大きく2つに分けられ甘味の種類も変わってきます。
酒粕の甘味の素は?
酒粕の甘酒は、砂糖の甘さで味を調えられています。
お湯とご飯を加えて一煮立ちして作る手軽さから、多くの人に振舞う神社やお正月のご家庭でよく作られてきました。
しかし、酒粕そのものは全く甘くないため、そのままではお酒の臭いがきつく、誰でも美味しく飲める甘酒にはなりません。
そこで、体を温めながら多くの人が楽しめるように、砂糖で甘味をつけて飲まれるようになりました。
米麹の甘味の素は?
米麹の甘酒は、砂糖0と謳っているものも多いのに、しっかりした甘さが特徴。
味が全く違うので、酒粕の甘酒は苦手でも、こっちなら飲めるという人も珍しくないほどです。
米麹の甘酒の甘さは、砂糖ではなくお米を分解して作られるブドウ糖のによるもの。
米麹の甘酒は、麹とお米を発酵させて作られますが、その中でお米のデンプンが細かく分解されます。
デンプンとは、もともとブドウ糖がいくつも繋がり複雑な構造をしている多糖類。
舌に触っても味を感じられる形になっていないため、糖類でも甘味として感じられません。
お米や麺類、パンなどの主食が、デンプンを多く含むのに味が弱いのはこのためです。
しかし、お米もパンも、麺類もじっくり噛んで食べると、だんだん味が染み出る感じがしませんか?
これはよく噛んでデンプンが細かくなるうちに、ブドウ糖へ分解され、舌が味を感じ取れる形になるからです。
甘酒での発酵も、口の中と同じことを引き起こしているというわけです。
ですから、甘酒の甘味はお米由来のもので、砂糖よりも優しく甘みを感じさせる魅力を持っています。
日本人が古くから慣れ親しんだお米が持つ甘さなので、飽きが来ず、クセになる味わいです。
調味料代わりにするなら米麹の甘酒
最近の傾向では健康志向のため、砂糖の甘酒も砂糖を控えめにしてありますから、さっぱりした味になっています。
とは言え、砂糖が入っていることに変わりないので、お米と酒粕分のカロリーを合わせて考えると。
調味料代わりにすのは得策ではないと言えるでしょう。
ですから、調味料として使うなら米麹の甘酒がオススメです。
発酵食品ならではの栄養補給にもなりますし、お米の旨みも料理に加えることができます。
使い方次第では、いつもの料理をワンランクアップさせられるかもしれません。
甘酒を調味料として使うポイント
いくら甘酒が砂糖に負けない甘味を持っているとは言っても、もともと調味料ではありません。
砂糖と同じ感覚で使うとせっかくの料理を台無しにする可能性があります。
実際に調味料として使う前に、使い方のポイントを確認しておきましょう。
水分が少ないものを使う
甘酒はもともと飲むためのものですから、そのままで美味しく感じられるように濃度が調整されています。
調味料にして使うには、味が薄く大量に加える必要があります。
甘酒の味を活かすには、煮物や、お菓子に砂糖代わりとして使うのが一般的。
しかし、煮物のしゃびしゃびになっては味がぼやけますし、お菓子も生地の段階で水分量が多ければ最終的に失敗してしまいます。
どちらも水分量の調整が成功の鍵になるので、ストレートタイプの甘酒では、使いにくい場面が多いのです。
ですから、甘酒の用途に調味料を考えているのであれば、あらかじめ水分が少ないものを用意しましょう。
市販であれば濃縮還元、甘麹と表記があるものや、手作りでは早作りや固作りと呼ばれる作り方の甘酒です。
これなら水分が少ない分味がぎゅっと凝縮されているため、甘味が強く調味料としても使いやすいです。
料理の水分調整に頭を悩ませることがなくなくので、更に甘酒の活躍の場が広がります。
肉を柔らかくするのにも
甘酒の特徴と言えば、濃厚な甘味ですから、砂糖やみりんの代わりに甘味調節にしか使えないと思っていませんか?
甘酒の特徴は、甘味の他に、麹が含まれている点です。
麹の分解能力は、お米だけでなくお肉にも有効です。
肉は何時間もじっくり煮込めば柔らかくなることもありますが、火加減を間違えると、基本的にゴムのようにカチカチ。
噛む力が弱い子供やお年寄りはそれだけで敬遠するほどですから、肉に火を通すには何かと気を遣います。
甘酒で肉を柔らかくする方法は、下味をつけるような感覚で、塩少々と一緒に甘酒を大匙2杯を加えて揉み込むだけ。
少し前に流行した、塩麴を使ったやり方と一緒ですね。
甘酒では麹の量が少ないため、十分に分解されるのに時間がかかりますが、それでも4時間から一晩寝かせれば火を通してもしっとり柔らか、旨みたっぷりの高級お肉のような仕上がりになります。
前日の夕食を作るついでに仕込んでしまえば、翌日いつでも使えるので、手間もほとんどかからないのも魅力です。
使いすぎに注意
「砂糖ではないのに甘くて美味しい」こんな夢のような食べ物なら、砂糖代わりにどんどん使いたくなりませんか?
米麹から作られる甘酒の甘味は、確かに砂糖ではありません。
カロリーや健康への悪影響を考えると、砂糖ではないものから甘さを楽しめるのは、有り難い話です。
しかし、砂糖ももともとブドウ糖が2つ繋がった構造で、二糖類と呼ばれる糖類の仲間。
実は、甘酒の甘味と根っこは同じなんですね。
ですから、甘酒の甘味の大本のブドウ糖と、砂糖のカロリーを比べても、
ブドウ糖 335.1kcal/100g
と殆ど変わりません。
砂糖よりも消化吸収が良く、甘酒が持つ栄養面は魅力的ですが、だからと言って、1パック分毎日使い切るなんて極端なことをすれば本末転倒。
調味料に使うときも砂糖と同じように最小限で、美味しくなるように心がけましょう。
まとめ
いかがでしたか?
美味しいだけでなく、栄養補給にも役立ちますから飲むだけではもったいない!もっと使い道を見つけて甘酒パワーを受け取れたらいいですよね。
甘酒の甘味はお米由来のものです。
味の主張も少なく、どんな料理やお菓子とも相性抜群。少し検索すれば甘酒を使ったレシピはいくらでも見つかりますから、使い道に困ることもありません。
調味料として加える方法なら、仕上がりに発酵の風味も弱まります。
飲み物としての甘酒のイメージからがらりと変わりますから、イロイロな使いかたにチャレンジしながら新しい美味しさを探求してみてください。
以上、「甘酒は調味料としても使える?使い方は?」でした。