甘酒を水筒で持ち運びしても大丈夫?
ここでは甘酒を水筒で持ち運びするときのポイントについてまとめています。
最近は健康や美容に意識が高い女性たちを中心に甘酒が注目されています。
愛好家の中には、選び抜いた米麹や酒粕で甘酒を仕込むこだわり派も。
消化吸収に優れた甘酒は、激しい運動や、頭脳労働で疲れた体の栄養補給にもってこいです。
甘い物がほしいとき、疲れを感じたときにさっと飲めるように、水筒で持ち運べたら便利ですよね。
飲み物を持ち運ぶものと言えば水筒ですが、甘酒はお茶ではありません。
水筒はお茶を入れることが前提になっていますから、甘酒を入れていいかどうか心配になります。
水筒に甘酒を入れて持ち運びに使っていいのかどうか、まとめてみました。
甘酒を水筒に入れてもいいの?
水筒は基本的に、お茶を入れて持ち運ぶことを前提に作られています。
最近の魔法瓶は保温性も高いですから、つい色々なものを入れたくなりますが、説明書には意外と入れてはいけないものが多く記載されています。
オレンジジュースや、塩分が多い味噌汁、暖かい牛乳なんかは有名ですね。
入れる物によっては水筒の内部にダメージを与えたり、腐敗が進みやすくなったりするので、なんでもかんでも持ち運べるという訳ではないのです。
甘酒に関しても、温めて持ち運ぶのは止めたほうが良いでしょう。
と言うのも、甘酒はコウジカビと言うカビの一種が、お米を発酵して作られる飲み物なのですが、人の味覚に合うようにちょうど良いところで止められています。
つまり、まだまだコウジカビが発酵する余地があるということ。
コウジカビは10℃~60℃の間なら増加できると言われていますが、最も活発になるのは60℃弱。
温かい甘酒を入れた魔法瓶の中はちょうどこれくらいほ温度になります。
温めた甘酒を魔法瓶に入れてしまうと、コウジカビの活動が活発になり、発酵を引き起こしてしまう可能性が高いのです。
せっかくちょうど良いところで止めてあるのに、更に発酵が始まれば味の劣化を引き起こしたり、腐敗を引き起こしてしまいます。
入れる前は甘い美味しい甘酒だったのに、魔法瓶で携帯しているうちに乳酸菌が増えて酸っぱくなってしまうかもしれません。
酸っぱい甘酒なんて、想像しただけでも美味しくなさそうですよね。
ただ乳酸菌が増加しただけであれば飲んでも影響がありませんが、腐敗を引き起こす他の雑菌が増加すれば味の劣化だけでは済みません。
コウジカビにとって栄養たっぷりなように、甘酒は雑菌にとってもエサの塊。
さらに、活動しやすい温かさともなれば、コウジカビと、雑菌どちらが増えてもおかしくありません。
うっかり雑菌が増えた甘酒を飲めば健康に差し障ります。
また、腐敗が進行し、菌が増加すればガスが発生しますから、魔法瓶の中の気圧が変化します。
圧縮されたガスが外へ逃げようと、蓋が飛び出たり魔法瓶が壊れたりする恐れがあり、水筒そのものにダメージを与えることも。
疲れたときの手軽な甘味補給に、水筒で甘酒を持ち運べたら便利ですが、温めて持ち運ぶのは止めた方が良さそうです。
甘酒は持ち運べないの?
では、水筒で甘酒が全く持ち運べないのか、と言うとそうではありません。
水筒に暖かい甘酒を入れない方が良いのは、保温性が高いため、コウジカビや雑菌が一気に増加する可能性が考えられるからです。
逆に言えば、微生物にとって居心地悪い温度であれば問題ないわけです。
実際、メーカーでは比較的味の劣化や腐敗の心配が少ない冷たい甘酒であれば、水筒に入れても問題ないと回答しているところもあるようです。
冷たくして持って行って、温めて飲みたいときはコップに移し替えてレンジでチンしても良いですね。
仮に魔法瓶に入れても多少は冷めてしまいます。
レンジならちょうど良い温かさにできますから、冷たいまま持っていって、飲みたいタイミングでお好みで温めたほうが美味しく飲めます。
ただし、いくら冷たくしていたとしても、発酵食品であることには変わりありません。
甘酒に入っているコウジカビや、侵入した雑菌は生きたまま。
どうしてもお茶に比べると微生物が増えやすいので、ある程度の配慮が必要です。
- できるだけ早めに飲みきる
- 甘酒を入れた前と後によく洗って、乾燥させて衛生的にする
は最低でも気をつけなければなりません。
お弁当だって、食べる時間まで傷まないように衛生面に気を配りますよね?
手作り品は保存料を添加するわけにはいかないので、どうしても腐敗の心配はつきまといます。
甘酒もそれと一緒で、入れてお仕舞い、と言うわけにはいきません。
もしも衛生面が心配、水筒の手入れが面倒と言う場合は、外で飲むとき用に市販品を用意してはいかがでしょうか?
フリーズドライや粉末タイプなら、お湯を注ぐだけで飲めますし、小さな袋に小分けされているので、かさばりません。
お湯とコップさえあればどこでも甘酒が飲めるので、手軽さと衛生面を優先させるなら、持ち運び用にオススメです。
甘酒は栄養満点!
甘酒の魅力は、あの少ない量の中に様々な栄養がぎゅっと凝縮されている点。
吸収率も良いので、仕事の合間のエネルギー補給にも向いていますし、控えめの朝食としても良いでしょう。
甘酒はお米が材料になっていますから、つい主な栄養であるブドウ糖にばかり目が行きがちですが、必須アミノ酸が全て含まれている食品です。
必須アミノ酸とは、体を作るタンパク質のもとになる栄養であるアミノ酸の中でも、体内で合成できない物を指します。
体内で作れないので、必須アミノ酸は食品から補うしかありません。
不規則な食生活で必須アミノ酸が不足すると、様々な不調となって表れることがあります。
全ての必須アミノ酸が含まれている甘酒は、栄養バランスを整えるのにぴったり。
美味しくて、体に言いなんて良いことずくめの飲み物ですね。
水筒で持ち運ぶには不便なところもありますが、タイミングを見つけて飲むようにしたいものです。
まとめ
いかがでしたか?
最近の水筒は高機能なので、保温性が上がっています。
温かいものは冷めにくく、逆に冷たいものは温くなりにくく、飲み物を持ち運ぶのに便利になっています。
高い保温機能を活用して、魔法瓶を使った甘酒のレシピも見かけるほどです。
ただ、できあがった甘酒を持ち運ぶには、高い保温機能が発酵を進めてしまいます。
せっかくの手作り甘酒を温かい状態で、どこでも飲めれば便利ですが、味の劣化や傷む原因になるので止めましょう。
どうしても持ち運びたい場合は、よく冷やして早めに飲みきるよう心がけます。
甘酒は発酵食品ですから、中にはたくさんの微生物が生きています。
保管の仕方に気をつけながら、甘酒を美味しく飲みましょう。
以上、「甘酒を水筒で持ち運びしても大丈夫?」でした。